教材としての利用方法 

公立小学校教科に英語が導入されることに対して、学校間に格差なく提供できるインターネット上の教材開発を意図しました。 マザーグースは英語圏に民間伝承として浸透しているわらべうたで、小さな子どもたちが言葉を覚えるのに最適な材料にになると考えました。 それは、マザーグースには英語独特の韻、リズム、抑揚が短い詩の形で表現され、音として幼い子どもたちに体験させるのに、実にふさわしい条件を持つからです。 表音文字言語の英語習得にもっとも必要な耳をすます訓練を基本としますが、その材料として、マザーグースの詩は音として心地よく、覚えやすく、体得するのにふさわしい材料になると考えました。

ここに収録しました十編のマザーグースは、英語習得の基本教材として、もっとも正統な朗読を、英国の古書として伝えられる絵本にそって提供します。 子どもたちに英語をまず耳で覚え、自分でそれを反復し、記憶させる練習の最適な材料となるはずです。 この詩の暗唱体験は、子どもたちの無意識下に英語を蓄積し、そのリズム、韻、抑揚の記憶が、後の、体系的英語教育において体験的によみがえることを目指します。 語彙の無意識下の集積もしばしば実証されています。 日本で明治以来、一部の外国系私立校で実践されてきた英語教育の長所を、情報技術時代の一般教材として利用するメリットがあると考えます。

教材としてつかう場合は、ひとつの詩に子どもたちを集中させるには、短い時間でもその間は日本語をつかわずに英語の音だけに、耳を浸させます。 詩を、耳をすませて聞かせるために絵本の画像を用意しました。 画像とともに聞く言葉の繰り返しや強調によって耳に残る音は、はじめは子どもたち一人ひとりで違うものになるはずですから、少人数でのグループ練習が効果を上げることと考えます。 詩の習得順番や数には、あまりこだわる必要はありません。 カリキュラムのページにそれぞれの詩のなかでポイントとなる単語を書きだしてあります。 これらの単語は独立して発音が聞けますので指示にしたがって操作して下さい。 また詩のなかで韻を踏む単語の音は、指導者のために発音記号で示してあります。 レッスンプランはそれぞれの詩の約10分〜15分の指導方法をのせてありますが、一例として考えていただければと用意したものです。


子どもゆめ基金(独立行政法人国立オリンピック記念青少年総合センター)助成活動